春のあたたかさに鶏たちもなんだか嬉しそう
今日から3月ですね。
私たちファームアグリコラが拠点を構える北海道当別町もようやく春の陽気を迎えています。
日中は10度近い気温を記録し、街中はもちろん、農場内の雪も解け始めています。
ザクザクになった路面の歩きにくさに、少しばかり苦戦しつつも、ようやく冬を乗り越えた安堵と実感をかみしめています。
ハウスの上に積もった雪も落ち、ハウスの中には温かい陽の光が差し込んでいます。
鶏たちも心なしか嬉しそうに見えます。
太陽の光は鶏のホルモンを刺激し、産卵率にも大きく影響してきます。
これからは日に日に、日照時間が長くなっていくので安定した産卵数の確保をできることを期待したいと思います。
厳しい寒さの中を耐えしのいでくれた鶏たちには心から感謝です。
新鶏舎では苦労の連続
1月からは新しい鶏舎の運用が本格的に始まりました。
2000羽の鶏たちを迎え、新しいシステムを活用しながら鶏たちを大切に育てています。
新設したのは木造の4000羽規模に対応した鶏舎。
卵を回収するベルトや自動でエサが給餌されるシステムを導入し、より効率的になおかつ品質を高めることが出来る仕様にしております。
これまでのビニールハウスでの飼養管理のほとんどが手作業でした。
今後はこれまで手作業に追われて取り組めなかった事にじっくりと時間をかけていきたいと考えています。
新鶏舎での運用が始まっておよそ2か月。
いよいよ産卵開始の時期を迎えました。
2000羽の鶏たちが卵を産むために、ネスト(巣箱)に入り、暗くて静かな場所でそっと卵を産み落とす。
産み落とされたたくさんの卵は集卵ベルトによって運ばれてくる。そんな光景を心待ちにしていました。
しかし、思うように行かないのが生き物を相手にするこの仕事。
産卵率は思うように上がらず、新システムの中でこちらが願うような形で管理が進まない。
鶏たちの中で何かのバランスが崩れ、ストレスを感じ、ついには産卵に大きな影響を生じさせてしまいました。
小さな異変や変化を見落としているはずと、じっと観察をしながら、何度も繰り返した試行錯誤の連続。
これまで積み上げてきたノウハウと感覚的な経験値を頼りに、そして専門家やシステムのメーカーに相談しながら、今ようやくほんの少しではあるけれど、鶏たちが訴えていたものを捉えることが出来たように感じています。
ビニールハウス鶏舎ではうまくいっているのに何かが違う。
どうしてうまくいかないんだろうか。
募る不安や焦り、恐怖と隣り合わせの日々を過ごしてきました。
「鶏を育てて卵を産んでもらう」
一見シンプルで単純に見えるかもしれないけれど、生き物を相手に仕事をするということの難しさを痛感しています。
改めて鶏たちともっと深く向き合う時間になりそうです。
2023-03-01 14:55:37
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